成熟したロングセラーモデル
日本メーカーが長く継続生産しているスクーターシリーズといえばJOG(ジョグ)でしょう。1983年に登場し、当時の感覚ではかなり強力なエンジンと軽量ボディ、(当時の物価で)10万円を切る価格の安さで人気を博しました。尖ったフロントカウルが前輪を覆うように突き出した独特のデザインは、後発のスクーターにも影響を与えました。
経営が下向きだったヤマハを救ったマシンとしても知られています。海外でも同じ名まで発売されていますが、デザインやエンジンの性能などは販売地域によって異なります。
ホンダとの業務提携
2016年にホンダとの業務提携が発表され、2018年にはホンダ・タクトの外観を変更したOEM供給モデルのジョグが発売されました。ジョグの走行性能はホンダ・タクトとほぼ同じということになるので、ジョグかタクトかは好みで決めると良いかもしれません。この業務提携の後、ヤマハの原付としては初めてアイドリング・ストップ・システムを搭載した原付一種モデルも登場しました。
ヤマハは、日本市場向けの50ccスクーターについてはホンダと業務提携しているので、ヤマハ・ビーノもホンダがOEM供給という形で製造しています。そのため、新型ジョグと新型ビーノのエンジンにはホンダのロゴが入っています。
主なスペック
- 型式:2BH-AY01
- 税込価格(新車): 181,500円
- 始動方法: セルフ・キック併用式
- エンジン: 水冷4サイクル単気筒エンジン
- シート高:705mm
- 車両重量:78kg
JOGの車重は80kg以下と同じ原付一種の中でも軽量であり、自転車感覚で取り回せます。シート高は705mmとやや低めであり、足つきも十分。シート下にある収納スペースは19Lもの容量があるので、通勤通学のお供としてぴったりです。
ただ、シート下にある収納スペースは車体の熱にさらされて暑くなりがちなので、お弁当や生鮮を入れるのは避けたほうがいいかもしれません。オプションでフロントバスケットを取り付けられるので、そちらに生ものを入れることをおすすめしますが、フロントバスケットのことを考えると積載量は十二分といえるでしょう。
水冷4サイクル単気筒エンジンは静かで燃費が良く、加速も十分。速度を出さない原付一種ということもあるかもしれませんがコンビブレーキ性能も高く、雨の中でも安定して止まりやすいので、比較的スリップしにくいモデルです。
スーパーカブと比べた時に価格帯が安く、足つきも良く、穏やかな加速と取り回しの良さが魅力の優秀なモデルなので、ビギナーにもおすすめです。