電動化の課題
日本はコストや技術的な問題からバイクの電動化が遅れていると言われています。バイク電動化には、多くのハードルが存在しており、代表的な課題は以下のとおりです。
- 航続距離が短く安定しない(冬場にはバッテリーの性能が落ちる)
- 充電に時間がかかる
- 出力が弱い
- 本体価格が高い
- バッテリーがかさばる、車体が重くなる
電動バイクの普及には、航続距離の不安定さ、本体価格の高さ、充電ステーションの少なさ、不便な充電システムといった問題が山積みです。
出力の弱さ
モーター出力と車両区分については、今のところ実情と合っていないと感じる方も多いでしょう。モーター出力と車両区分は、以下のように分けられています。
- 原付一種:0.6kW以下
- 原付二種:0.6kW超~1.0kW以下
- 普通二輪:10kW超~20kW以下
- 大型二輪:20kW超
2019年12月には、20kW超の電動バイクが大型二輪に区分されるなど、中型・大型区分の輸入電動バイクは改善傾向にありますが、原付クラスに目を向けてみると不満が残ります。少なくとも、これまでの排気量のような感覚だと、パワー不足を実感してしまうかもしれません。
原付クラスの最高出力の上限がもう少し高くなれば、日常生活でもストレスなく使えるEVバイクとして需要が高くなっていくのではないかと思います。
車体の重さ
特に、小排気量のバイクではバッテリーの大きさ・重さが問題になっています。バイクの利用用途によっては、バイクを押して歩かなければならない状況があります。
また、バイクと転倒は切っても切り離せません。バイクで転んだら車体を引き起こさなければなりませんが、そのときにバイクの重量が重たすぎると、小柄な方は取り扱えない可能性が出てきます。
日本はバイクの覇権を握り続けられるか?
電動化に伴う軽量化を実現しても、性能が低下してしまう可能性もあります。そのため、政府はガソリンスタンドやカーディーラーなどで瞬時に充電してもらうか、フル充電された電池にすぐ交換してもらえるといったシステムを導入する必要があります。
給電に関しても、家庭でフル充電ができても長距離走行に耐えられない場合があるため、交換式バッテリーや急速充電の技術開発が進められています。どの方法を採用するにしても、インフラの整備は必須であり、政府や各種メーカーにとっての課題です。
交換式バッテリーについては、台湾のGOGORO社がビジネスモデルを確立し、充電ステーションの設置をして運用をスタートしています。インフラ整備のためには多少なりともバッテリーの規格を揃える必要がありますが、今のところもっとも可能性があるのはGOGORO社の規格かもしれません。