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2025年に原付一種は消えてしまうのか?

ベスパ

原付一種の新車が出なくなるかもしれない

50ccは日本にしか存在しないほど排気量の小さなカテゴリーです。国内での販売台数は下降傾向にありますが、原付一種は本体価格も維持費もリーズナブルというだけあり、今でも根強い人気があります。徒歩で行くには遠いけど公共交通機関を使うほどでもない近所の街乗りにはうってつけです。

しかし、前回の記事でも述べましたが、そんな原付一種というカテゴリーが、2025年10月以降に適用される「令和2年排ガス規制」によって、販売ができなくなる可能性があるのです。令和2年排ガス規制は、もともと全排気量を対象に2022年には例外なく施行されるはずでした。

規制への対処は排気量を問わずコストがかかりますが、今回はOBDⅡという精度の高い故障診断装置の搭載も義務付けられました。もともと本体価格が高額になりやすく、車体の重さをカバーできる大排気量バイクよりも、リーズナブルな価格で親しまれていてパワーの小さい原付・小型二輪のほうが、排ガス規制のダメージが大きくなりやすい傾向にあります。

原付一種が令和2年排ガス規制に対応しようとすると本体価格が跳ね上がってしまう可能性がありました。原付一種を生活必需品として使う層がいる以上、市場の混乱は避けられないという懸念を国土交通省が汲む形となり、原付一種の継続生産車だけは適用を3年遅らせる事になったのです。

原付一種が生き残るための方法はある?

市民の生活に寄り添う原付一種というカテゴリーを残すために、原付一種の排気量を見直そうという動きが進んでいます。端的にいえば、排気量は125ccにしながら、出力などを従来の原付一種レベルまで抑制するという提案です。

原付一種を存続させるには「原付一種の枠組みを見直す」という提案が形になる可能性が高いのではないか、という見方が強いですが、現状ではどう転ぶか分かりません。

原付一種は残してほしい!

原付一種は、手軽に走れるモビリティとして、またバイクの世界の入り口としての役割を担ってきました。原付一種から趣味を広げて中型へ、そして大型バイクにステップアップする人も見てきました。コロナ禍がきっかけで大きなバイクブームの波が来ていることもあり、バイクの入り口を狭めてほしくないという気持ちがあります。

原付一種ほどではないにしても、根強い人気がありながらやむなく生産終了となる車種も今後ますます増えていくかもしれません。こうした流れの中でバイクは、50ccにかぎらず、希少性の原理が働き買取価格は高騰していく可能性はあります。査定を見てみても、中古車の価格が高くなっている傾向を感じます。
参考▶バイク買取|バイクワン

原付免許で125ccに乗れるよう働きかけをしたり、50ccに代わる魅力的なEV車のラインナップを増やしたりして、引き続き手軽な原付一種を残してほしいと思っています。