ホバーバイクが2022年に販売スタート
ホバーバイク(空飛ぶバイク)は、自走とホバリングを両立させたエア・モビリティ(空を飛ぶ乗り物)の一つです。2021年に、日本のスタートアップ企業A.L.I.Technologiesが開発した「XTURISMO Limited Edition」が予約販売をスタートして大きな話題となりました。
映画『スター・ウォーズ』を見たことのある方はピンと来たかもしれませんが、ホバーバイクはスター・ウォーズに出てくる「スピーダー」を彷彿とさせる乗り物です。
A.L.I.Technologiesは、エア・モビリティの開発に着手した理由の1つとして、開発者にスター・ウォーズの大ファンがいたことを挙げています。ただ、A.L.I.Technologiesの開発に可能性を感じた多くの企業から資金調達を成功させたことを考えると、夢物語と一刀両断するのは早計かなと感じています。
ホバーバイクの用途
夢がたっぷり詰まったホバーバイク。200台限定で販売されたXTURISMOは完売しましたが、今のところ国内外のほとんどの公道ではホバーバイクを飛ばせません。そのため、サーキットや海上でのホバリンクや、救急救命や防災といった緊急時の活用など、はじめは限定的な用途で使われるようです。
ゆくゆくは旅行やレジャーなどの個人的な使い方もできるようになっていくでしょう。これまで人が住むには険しすぎる土地まで楽に移動ができるようになり住宅街が広がるかもしれませんし、玄関口を1階ではなく屋上にも設けるようになるかもしれません。ライフスタイルも大きく変わるでしょう。
ちなみにエア・モビリティの個人利用というと渋滞解消と関連付けられますが、渋滞の原理は「先頭のクルマが速度を落としてしまい、後続車がブレーキを踏んでしまう」というものです。このことから、わざわざ空を飛ぶよりも、自動運転技術を発達させるほうが、より小さいエネルギーで渋滞回避ができるようになるでしょう。
エア・モビリティ関連の法規
空を飛ぶクルマやバイクなどの研究を進めている企業の多くは、航空機として耐空証明をしようと考えているようです。
しかし、航空機に適用される法律では、市街地で300m以下まで高度を落とすことはできないため、クルマというよりもやはり航空機としての特色が強くなるかもしれません。しかし、今回登場したホバーバイクを開発した企業は、航空機ではなく車両としてエア・モビリティを作っていくようです。
政府もエア・モビリティのために制度の整備を進めていくと発表しているので、レジャー目的で製造されたホバーバイクを公道で見られるようになる未来も、そう遠くないかもしれませんね。